M&Aフォーラム

第14回
M&Aフォーラム賞

14th M&A Forum Award

M&Aフォーラムでは、M&Aフォーラム賞選考委員会(委員長:岩田一政日本経済研究センター理事長)のもと、第14回M&Aフォーラム賞の選考を進めてまいりましたが、2020年8月25日に開催されました選考委員会において、満場一致で、以下の4作品を表彰作品として選定いたしましたのでご報告いたします。受賞作品の著者の皆様、おめでとうございます。また、今回ご応募いただき、残念ながら選外となりました皆様にも御礼申し上げます。ありがとうございました。

2020年8月28日

(以下、敬称略、所属は執筆、または応募時点)

  • 選考結果

  • 授賞式の
    様子

  • 募集要項

M&Aフォーラム賞正賞
『RECOF賞』 1篇

  • 論文
    『労働者保護とM&Aのパフォーマンス―国際比較分析―』

    著者

    岩崎 康大(いわさき こうた)

    池田 直史(いけだ なおし)

    井上 光太郎(いのうえ こうたろう)

    東京工業大学 工学院
    受賞者の声
    • 岩崎 康大 氏

      岩崎 康大 氏

    • 池田 直史 氏

      池田 直史 氏

    • 井上 光太郎 氏

      井上 光太郎 氏

    「このたびは大変栄誉あるM&Aフォーラム賞正賞・RECOF賞をいただきまして、岩田選考委員長をはじめとする選考委員の先生方、本稿の掲載機会を頂いた『経済研究』編集委員や査読者の皆様に心より感謝申し上げます。

    本稿は、従業員の法的保護と企業のM&Aを通した価値創造の関係という複雑で難しい問題に対し、一つの証拠提示を行えたものと考えております。従業員の法的保護の強い国の企業に対するM&Aでは価値創造が阻害されるという本稿の国際比較分析の結果は、日本のM&Aを考える上で一つの視点を提供していると考えます。

    本研究のような実証研究が、実務家の方々の視点でもご評価いただけたことは、研究者として大変勇気づけられます。本日はありがとうございました」

M&Aフォーラム賞奨励賞
『RECOF奨励賞』 3篇

  • 論文
    『負ののれんの会計処理に関する提言―負の超過収益力との関連性の観点から―』

    筆者

    天野 良明(あまの よしあき)

    京都大学大学院 経済学研究科 博士後期課程 3年
    受賞者の声
    天野 良明 氏

    天野 良明 氏

    「このたびは、M&Aフォーラム賞奨励賞(RECOF奨励賞)を頂戴し、誠にありがとうございます。選考委員の先生方、並びに関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

    受賞作品は、M&Aの際に発生する「負ののれん」の会計処理をテーマとしています。現在の日本の会計基準では、負ののれんは発生期の利益として計上されますが、本稿ではこのような会計処理が妥当なものかどうかについて検証をしています。

    まだまだ修行中の身ではございますが、引き続きM&Aと会計についての研究に取り組んで参りたいと思います。どうか今後ともご指導、ご鞭撻を頂戴できますようお願い申し上げます」

  • 『M&A 戦略の立案プロセス』
    書籍
    中央経済社 刊
    『M&A 戦略の立案プロセス』

    著者

    木俣 貴光(きまた たかみつ)

    三菱UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社
    コーポレートアドバイザリー部長プリンシパル
    受賞者の声
    木俣 貴光 氏

    木俣 貴光 氏

    「このたびは大変栄誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。8年前(第6回)にも実務小説『企業買収』で同賞をいただいたのに続いて2度目の受賞となり、感慨もひとしおです。

    弊社は、M&Aのエグゼキューションのみならず、M&A戦略の立案からPMIまで一貫したM&Aサービスの提供をモットーにしておりますが、お客様より「持ち込み案件に対応するだけでなく、プロアクティブにM&Aに取り組みたい」とのご相談を多くいただくことがきっかけで本書を執筆いたしました。

    本書を通じて、M&Aを活用した日本企業の成長に少しでも貢献できれば幸いです。岩田委員長をはじめとする選考委員の皆様方には改めて感謝申し上げます」

  • スタートアップ投資ガイドブック』
    書籍
    日経BP 刊
    『スタートアップ投資ガイドブック』

    編著者

    小川 周哉(おがわ しゅうや)

    竹内 信紀(たけうち のぶき)

    TMI総合法律事務所 弁護士
    受賞者の声
    • 小川 周哉 氏

      小川 周哉 氏

    • 竹内 信紀 氏

      竹内 信紀 氏

    「このたびは大変名誉ある賞をいただき、心より御礼申し上げます。

    本書は、我が国の産業界が、オープンイノベーションの名の下に、自社内の研究開発だけでなく外部の技術やビジネスシーズを探求する方向へと大きく変化する時期にあることを踏まえ執筆させていただきました。なるべく平易な表現で、エクイティ投資の「なぜなのか、どうしてそうなるのか」という疑問、本質を記述することを心がけたためか、スタートアップやベンチャーキャピタルはもちろんのこと、CVCをはじめとする事業会社においても広く活用いただいていると聞いており、著者一同大変嬉しく思っております。

    これからも、条項例や法律の解釈論だけでなく、投資やM&Aに関する基本的な知識を広く理解してもらえるような書籍を著していきたいと思います。このたびは、本当にありがとうございました」

M&Aフォーラム会長からのメッセージ

M&Aフォーラム落合誠一会長
(東京大学名誉教授)
落合氏

落合氏

「私ども『M&Aフォーラム』は、2005年に内閣府経済社会総合研究所のM&A研究会で設立が提唱され、民間ベースのフォーラムとして発足しました。この間、我が国におけるM&A活動の普及・啓発を図り、あわせてM&Aに精通した人材の育成を目指して、『M&A人材育成塾』、『M&Aフォーラム賞』の二つの事業を柱として、地道な活動を続けて参りました。

『M&A人材育成塾』は、ご活用いただいた企業数が延べ1,000社を超え、受講された方は延べ1,500名に達しております。昨今、M&Aを学べる研修・セミナーは増えておりますが、M&A各分野の実務に携わる第一線で活躍中の講師の解説は臨場感に富んで大変、好評です。

また、M&A実務の基礎を学ぶ『M&A実践実務講座』に加え、昨年11月には『M&A実践実務講座』の上級・応用編である『M&Aリーダーシップ・プログラム』も開講しております。

もう一つは、今回14回目を迎えました『M&Aフォーラム賞』です。我が国のM&Aの普及啓発に資する優れた書籍、研究論文に対して表彰する制度です。毎年実施してまいりましたが、前回第13回までに48作品の書籍・研究論文が顕彰されました。本賞には我が国のM&Aの実情を反映した作品の応募があり、受賞作品を一覧すると我が国のM&Aの発展状況が判ります。M&Aは、法律・経済・経営・会計・税務・社会・文化等多様で広範な分野と関係しますが、M&Aをテーマとして、継続的に実施されている懸賞論文制度は唯一無二のものとして自負しております。

岩田一政選考委員長のもと、選考委員会において、毎回、厳正なる審査が行われており、また、これまでと同様、いずれも大変レベルの高い作品であったと聞いております。特に今回は僅差での評価となり、いずれも甲乙つけがたく、例年以上に選考委員の先生方を悩ませたそうです。お忙しいところ、岩田委員長を始め、審査の労を賜りました選考委員の先生方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

これまで、M&Aフォーラムは日本のM&Aに貢献してきたわけですが、コロナ危機の中、日本企業が今後も発展を果たすためには、様々な対策を講じなければなりません。その中でM&Aは、これまでにも増して有力な手段になるだろうと思われます。このため、M&Aフォーラムとしましても、『M&A人材育成塾』などの活動を通じて、人材育成により企業の『M&Aリテラシー』を高め、さらなる業界の活性化に貢献してまいりたいと思っております。

私どもM&Aフォーラムは、今後も着実に実績を積み上げてまいります。皆様には、本フォーラムの趣旨をご理解賜り、より一層のご支援の程お願い致します」

審査委員長からの講評

岩田一政審査委員長
(公益社団法人日本経済研究センター代表理事・理事長)

岩田氏

岩田選考委員長は、「本年の特徴は、買収後の人材マネジメントに関連したテーマとスタートアップ企業のM&Aの在り方を論ずる質の高い著作や論文が寄せられたことでした。とりわけ、分析手法が緻密で洗練された作品が多かったように思います。本年も優秀な応募作品の順位付けを巡って、最後まで熟議を重ねました」

として、次のように講評を述べた。

「M&Aフォーラム賞正賞『RECOF賞』を受賞した岩崎康大、池田直史、井上光太郎著『労働者保護とM&Aのパフォーマンス -国際比較分析-』は、M&Aの被買収企業の所在地の法制度の相違が、M&Aのパフォーマンスに与える影響を国際比較分析したものです。

本論文における実証分析は、労働者保護に関する4つの指標と主成分分析を踏まえた指標の作成から始まり、セレクション・バイアスを考慮した計測方法の採用に至るまで用意周到であり、説得力に富んでいます。世界各国の4884件の大型M&Aをサンプルに取り上げ、各国における労働者保護の在り方が、M&A後の企業の組織最適化行動への影響を通じて被買収企業の選択と価値創造に影響を与えていることを実証しています」

と高く評した。

続いてM&Aフォーラム賞『RECOF奨励賞』として、『負ののれんの会計処理に関する提言 -負の超過収益力との関連性の観点から-』、『M&A戦略の立案プロセス』、『スタートアップ投資ガイドブック』の3つの作品について述べた。

「天野良明著『負ののれんの会計処理に関する提言 -負の超過収益力との関連性の観点から-』は、被買収企業の取得価額が純資産を下回る『負ののれん』について、国際会計基準が推奨する『即時当期利益計上』とするのではなく、負の超過収益力の効果(マイナスのシナジー効果)が及ぶ期間にわたり『規則的に償却』すべきであると提案しています。

本論文の優れた点は、負ののれんの発生源について、情報の非対称性による『割安購入』によるのではなく、当該企業の長期的な『負の超過収益力』にあることを実証したことにあります。日本では負ののれんを計上するM&A案件が多いという状況の下で、負のれん会計処理の在り方に一石を投じた論文として高く評価しました。

木俣貴光著『M&A戦略の立案プロセス』は、日本企業にありがちな受け身のM&Aを脱し、プロアクティブなM&A戦略に基づくM&Aの実行を説いています。

M&Aの前提となる経営戦略をサーベイした後で、それをM&A戦略に落とし込んだ上で、M&Aマネジメントのルールを紹介しています。そこでのM&A戦略として、15の類型に分けて戦略の在り方を論じており、本書に引用されている32のM&A事例は、成功例、失敗例を問わずM&A担当部門や経営者にとって貴重な資料といえます。

小川周哉、竹内信紀編著『スタートアップ投資ガイドブック』は、シリコンバレーに代表されるアメリカや日本におけるスタートアップ企業に対する、日本企業による投資を中心テーマに据えた優れたガイドブックであります。

シリコンバレーにおけるエコシステム、インキュベーター、アクセラレーター、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、リード投資家の役割など懇切な解説がなされており、とりわけ、米国と日本におけるスタートアップ企業に対する投資に関するフレームワークの背後の考え方の違いが浮かび上がる解説がなされています。

また、『オープンイノベーション』を活用しようとする場合における、業務提携、共同開発についても丁寧に解説されている。とりわけ、システム開発の委託の在り方については、従来型の『ウオーターフォール型システム開発委託』と対照的な『アジャイル型システム開発委託契約』の解説は秀逸であります」

と締めくくった。

M&A人材育成塾は
こちら

選考経過ご報告

M&Aフォーラム賞選考委員会は、2019年度(令和元年)「第14回M&Aフォーラム賞」に4作品を選定し、10月7日授賞式が行われた。

 

「M&Aフォーラム」は、2005年の内閣府経済社会総合研究所の「M&A研究会」において民と官との連携ができる民間ベースのフォーラムが提唱されたことを受け2005年12月に設立され、今年で15年目を迎える。

 

理論的、実証的及び実務的な視点から、進歩、変化するM&A事情の研究・調査を行い、今後の我が国におけるM&Aのあり方について提言を行うとともに、主に企業人を対象にした「M&A人材育成塾」の運営等の活動を通じて、M&Aの普及・啓発、人材や市場の育成に資することを目的としており、さまざまな関係分野の有識者、実務専門家、企業関係者が参加する場となっている。

「M&Aフォーラム賞」は、2000年度に「M&Aに関する社会科学的観点からの研究論文の執筆で顕著な業績をあげた学生・院生を顕彰する懸賞論文制度」としてレコフが創設した『RECOF賞』が前身で、M&Aフォーラムからの強い要請もあり、学識経験者、行政担当者、M&A専門家、企業関係者(実業界)ならびに大学院、大学、各種専門学校を含めた学生にいたるまで幅広い分野に対象を広げ、06年にM&Aフォーラム賞『RECOF賞』として引き継がれた。

  

第14回を迎えた今回は、法律、経済、経営、税務・会計、ファイナンスなどをテーマにそれぞれの観点で掘り下げた、14の書籍・論文の応募があった。

 

選考委員長の岩田一政氏(公益社団法人日本経済研究センター代表理事・理事長)のもと、大杉謙一氏(中央大学法科大学院教授)、西山茂氏(早稲田大学ビジネススクール教授)、丹羽昇一氏(レコフデータ専務理事)の3人の委員によって、

  • 作品が創造性に富んでいること
  • 理論的、実証的な分析を行っていること
  • 実用性・実務への応用可能性が高いこと
  • 問題点を先取りし、その解決の糸口を論じたもの
  • M&Aの啓蒙に資するもので、業界全体への影響力が高いと判断されるもの

などが主な基準で審査が行われた。

M&Aフォーラムの懸賞論文
第14回M&Aフォーラム賞 募集要項※応募は締め切りました

M&Aフォーラムは、わが国のM&Aの普及・啓発、人材や市場の育成を目的とした活動を展開しております。 M&Aフォーラムでは、この活動の一環としてM&Aに関する法律・経済・経営・会計・税務・社会・文化等さまざまな観点からの優れた著作、研究論文を表彰する『M&Aフォーラム賞』を設けております。皆様の積極的なご応募をお待ちしております。
選考委員会は、M&Aに関するさまざまな分野の主導的な研究者や実務者の第一人者で構成されます。

応募資格、条件など

  • 資 格
    学識経験者、行政担当者、M&A専門家、企業関係者(実業界)、大学院・大学・各種専門学校を含 めた学生等、幅広い分野の方々からの応募を受け付けます。
    個人のほか、学校やゼミナールなどの団体、グループでも応募ができます。
  • テーマ
    M&Aに関わる著書、研究論文(M&Aと法律・経済・経営・会計・税務・社会・文化等との関係について論じたもの)で、理論的・実証的・実務的な分析を論じたものとします。
  • 応募資格
    日本語で書かれたもので、原則として 2019 年 4 月から 2020 年 3 月までに発表された作品(著書、論文)で、経済専門誌、総合雑誌、各種機関誌等に掲載された論文も可とします。
    また、大学院、大学、各種専門学校を含めた学生の方々につきましては、修士論文、博士論文、卒業論文も対象に加えます。
    対象となる著書および論文いずれも、執筆者ご自身の応募による作品に限定いたします。
  • 応募方法
    • 応募用紙を下記よりダウンロードし、必要事項をご記入ください。
    • 作品要旨 (1,000字程度、様式自由)を作成し、1.の「応募用紙」とあわせて下記メールアドレスまでお送りください。
      (その際はPDF形式でお送りください)
    • 応募作品を2部ご用意いただき、メールでお送りいただいた応募用紙と作品要旨を添付の上、下記宛先までご郵送ください。

      <送付先>
      〒102-0083
      東京都千代田区麹町4-1-1 麹町ダイヤモンドビル9F
      株式会社レコフデータ M&Aフォーラム賞係
      TEL:03-3221-4942
      Mail:maprize@maforum.jp

  • 期 間
    応募期間は 2020 年4月30日までとし、当日の消印も有効といたします。
  • 発 表
    入選者には 2020年9月上旬を目途に本人宛に通知するとともに、M&Aフォーラムのホームペー ジ(https://maforum.jp/)にて発表を行います(入選者のみに通知します)。
    入選者の表彰および賞の贈呈は2020年10月上旬を予定しております。

審査、選考について

  • 応募書類、応募書籍・論文は選考委員会で審査を行います。
  • 選考委員会は、M&Aに関するさまざまな分野の主導的な研究者や実務者の第一人者で構成されます。

<第14回選考委員会(敬称略)>

  • 選考委員長
    岩田 一政(日本経済研究センター 理事長)
  • 選考委員
    大杉 謙一(中央大学法科大学院教授)
    西山 茂 (早稲田大学ビジネススクール教授)
    丹羽 昇一(株式会社レコフデータ 専務理事)
  • 応募作品および選考過程に関するお問合せには応じられません。

4.表彰

  • M&Aフォーラム賞正賞『RECOF賞』 1篇 賞状・副賞50万円
  • M&Aフォーラム賞奨励賞『RECOF奨励賞』 1篇 賞状・副賞10万円
  • M&Aフォーラム賞選考委員会特別賞『RECOF特別賞』(社会人を含む学生対象) 1篇 賞状・副賞10万円

M&Aフォーラム賞についてのお問合せ

運営 株式会社レコフデータ
住所 〒102-0083
東京都千代田区麹町4-1-1 麹町ダイヤモンドビル9F
TEL 03-3221-4942
MAIL maprize@maforum.jp